自分が後手番



後手番で、現在2コイが成功したところ。次にコイコイすれば3コイ目だがどうするべきか。


名 人 の 一 手


セオリー1「コイコイすべき時」の応用であるが、自分が後手番のときにどうするか、である。

まず、相手が総取りをすれば8点となり逆転負けする状況だが、すでに   、また短冊役などの特殊役もすべてなくなっていることに気づいてほしい。
つまり、逆にいうと「総取りされなければ3コイが成功する」状況であるのだ。

通常このような場合、相手に総取りされる確率は1/3である。
自分の加算される得点と相手に加算される得点を、自分にかなり厳しい設定をしたとしても、
2/3の成功確率であれば、ここでのコイコイは得点期待値をプラスにする。
今回のように「相手があがってもわずか8点、自分があがればあがりの素点(倍ヅケする前の得点)が大幅にふえ、かつそれが倍になる」場合には、コイコイすることで問題ない。
(セオリー1の考察と同様なので、ここでは計算は省略する)
もちろん、4コイ以上の「現時点での得点が大きいほど」コイコイするべきなのは言うまでもない。

ただ、ここではその前提の「読み」が必要になってくる。
高度なテクニックかもしれないが、実際に自分は「自分の手札にある種類を相手が持っているかどうか、常にチェックしている」ので、名人レベルであれば、充分に実行できるはずだ。


名 人 の 読 み


たとえば、セオリー6「中盤の札の出し方」とも関連するが、  の種類が「まだ1枚も取られていないとき」に、場に  が出ているのに、はりつきなどすでに自分が取ることが確定している札を取ったり、あるいは  がまだ取られていないとしても  の組み合わせで札を取ったりする場合には(草短の重要性は考慮しないこととする)、相手は  の種類を1枚も持っていない、と推測することができる。

今回の場合、自分が手札に  を持っているので、もし自分が場に取る札がないときに、セオリー6「中盤の札の出し方」および「相手がその種類を持っていないことが確実な札」を考慮して、出す札を選ぶ。
そういった意味からも、自分の手札と同じ種類を相手が持っていないことが明らかであれば、それが  のようなペアや、特殊な役にからむような「重要性が高い札」でなければ、それらを選んで出す。

今回は「相手が  を確実に持っていない」という状況ではなかったのでコイコイをしたが、もし相手が「確実にもっていない」状況であれば、上の状況での3コイ目は、成功確率が1/2になってしまう。
こうなると、どんなに点数が高くても、ストップするべきであるのだ。
(自分の得点の加算分が非常に大きい場合は例外的に得点期待値がプラスのこともあるが、一般的にはストップするべき)

逆に相手が  のオープンをするなどで、残りの  の種類をもっていることが明らかであれば、3コイ目は100%成功する(この場合はありえないが)。