基本〜より多くの札を取るためには
相手に取られるかもしれない札を優先的に取る〜


当たり前の話だが、花札には同じ種類の札は4枚づつしかない。
セオリー12で述べた「取るべきではない組み合わせ」以外などでは、一般的に「自分が取ることが確定している札よりも、相手に取られるかもしれない札を優先的に取るべき」だ。
同種類の残りの2枚がすでに取られていたり、張りつきや爆弾オープンなどよりも、相手に取られるかもしれない札の方を優先的に取った方が、より多くの得点が期待できるだろうことは分かるだろう。

ここでは上級セミナーとして、以上のことを基本として、相手の手札を推測してどの札を取るべきかについて述べていく。
ただし、後述するが、この「読み」は「最適な戦略」ではない。一般的な対戦相手は必ずしも「こちらが思っているようには札を出さない」ためだ。
しかし、いずれにせよ「相手が最善手を打つ」ことを前提として、ここではそれに対する「読み」を行っていくことにする。



1、前順に相手が場札を取らなかった場合


たとえば、次のような場合を考えてみる。

〔相手〕後手番で手札が       残り6枚

〔場札〕    

〔自分〕先手番で手札が      残り5枚

(関連札以外は省略、また残りの  の種類はまだ取られていないとする)

この時に、相手が手札から  を出してきたとき、当然ながら相手は   を手札に持っていないはずなので、手札の  (場合によっては  ) を出して  を取るべきである。

大事なのは、ここで相手が手札に  を持っている可能性が高いということだ。
手札が残り6枚の状況で、同じ種類を1枚しかもっていない  をいきなり捨てることは考えにくいからだ。
よって、順目が進んで、場に取れる札がなくなっても、手札の  は相手が持っていることがほぼ明らかであるので、大吉も期待できないために捨てるべきではない。

(※実際は、永世名人クラスであっても、上のような状況で  を持っていなくても  を捨てる相手が少なくないのが現実ではあるのだが・・・。)


2、相手が重要性のある札を持っているかどうかの読み


次のような場合を考えてみる。

〔相手〕後手番で手札が       残り6枚

〔場札〕    

〔自分〕先手番で      残り5枚

(関連札以外は省略、また   の残りの種類はまだ取られていないとする)

この時に、相手が手札から  を出したり、 や  を出した場合には、特殊な状況にない場合、相手は  を持っていないことが推測される。

そうすると、終盤になって場に取ることができる札がない時、「相手が明らかに持っていない札」をまず捨てるべきであるので、特殊な状況(  を取られればそれだけで負けてしまうなど)になければ、大吉の可能性もあることから、  を捨てるべきである。

光札や赤カスなど重要性のある札は、場札に大した札がなければ、手札にあって取ることができるなら優先的に出すはずであるからだ。

同じような状況では、自分の手札に  があり、相手が  を出して場札の  を取った場合、特殊な状況になければ、相手の手札には  はないだろう。こんな時、場に取ることができる札がなければ、まずはじめに捨てるべき札は  である。たとえ   がすでに取られていても、  (または  )というあまり役に立たない札などよりも優先的に捨てるべきである。相手が残りの  を持っていないことがほぼ明らかであるからだ。


3、相手が札をキープしている場合


次のような場合を考えてみる。

〔場札〕     

(関連札以外は省略)

こんな時に、相手がまず手札から  を出し、次順に  を出した場合、赤短の重要性を考慮しなければ、相手は手札にもう一枚の  を持っていて  をキープしている可能性が高い。
もちろん、この場合だと相手が手札に  を持っている場合も考えられるが、終盤になってそれらの所在が明らかになれば、相手が  を持っているであろう可能性はより高くなってくる。

このような場合、自分が  を持っていなければ、いくら推測しても関係ないと思うかもしれないが、終盤どちらもあがりそうな接戦の場合などには、非常に重要な「読み」の材料になってくる。
消去式に、「相手が持っていない種類の札」を絞り込んだりすることで、相手の手の進行を遅らせたり、大吉の可能性が少しでも高い札を出すことができるようになる。


この「読み」の短所


以上、代表的なケースにおける「読み」を述べたが、実はこれらは外れることも少なくない。こちらは当然相手がこう打つだろうと予測しているにも関わらず、実際には意表をつく相手の奇手に惑わされることもあるからだ。

結論として、花札の試合のデータ(試合で何を出したかなどの途中経過のすべてを含む)が保存され、それを専用のソフトで解析して分析しない限り、一般的なプレイヤー相手の最適な打ち方は、現時点では分からない。

以前3人麻雀の講座で述べたものだが、対戦ゲームにおける「基本的な戦略」と「特定の相手に対する戦略」の理論的な側面はこちらを参照されたい。
つまり、対戦するプレイヤーの平均がどのような打ち方をするのかがデータとして分からない現時点では、彼らに対する最適な打ち方というものは分かるはずがない、ということだ。

ただ、これらの読みをまったく行わないのと、相手の出す札すべてから読みを行うのとでは、それ以外の実力が同じプレイヤー同士であれば、後者の方がすぐれた成績を残す可能性が高いといえよう。

また、この「読み」は、基本的には相手が上級者になればなるほど効果を発揮すると思われる。つまり、現時点(04年5月)では、最上位の1点5000円テーブルにおいて最も有効である、といえるだろう。